NPO法人 緑区子どもサポートセンター
 

   春の香りと野草天ぷら


                     若葉区木の間にて (2008年4月)


2008年度最初の土曜あそび塾は桜が満開の若葉区教育の森「木の間」で行いました。
第10期のメンバーは小学1年2人が新メンバーで加わり、
また家族、スタッフもたくさん参加し19人で春を見つけました。

「木の間」が小さくなった
ここは7年も利用させてもらっていますが、今年はこの木の間に異変が。
以前はどこまでが教育の森なのか境目がわからないほど木に囲まれていたのですが、
道の向こう側がゴルフ場開発のため造成されていました。
自然はあっという間になくなってしまうことを実感した出来事でした。
しかしがっかりしてはいられません。
今ある自然を守っていくことに少しでも力を注いでいきたいものです。

食べられる野草を探す

それでも春の気配は森にあふれているということで散策をしました。
講師の細川先生は子どもの頃から自然観察が趣味という自然博士です。
子どもが小さな葉っぱを見せて「これなあに」と聞いても名前がわかります。
そして自然に関するお話をたくさんしてくれました。
歩きながら食べられる野草を採取。
野草はきのこほど毒性がなく、舌がしびれたりのどがひりひりしなければ食べられるものが多いそうです。
同じものをたくさん食べない工夫も大切だそうです。

おたまじゃくしはうまれたばかり

森を抜けて田んぼの用水路のところに行くと、蛙が死んでいました。
産卵を終えて力を使い果たした姿でした。
そして近くにはおたまじゃくしが。
生まれてすぐは体内の栄養で生きられるとのこと。
まだ水が冷たいのでじっとしていて、あと何日かしたら動き回ってえさを食べ始めるのだそうです。
脇の土手にはふきのとう、野蒜がのぞいていました。

天ぷらを食べる
一番楽しみにしていたのは天ぷらでした。
普通、野草天ぷらというと、たらの芽やふきのとうなど思い浮かべますが、実は食べられる野草がいっぱいあるのです。
みんなで採ってきたものを天ぷら粉につけて油で揚げました。
スタッフが揚げるそばから塩をつけて食べ始める子どもたち。
まさに揚げたて。
熱々でおいしい天ぷらを桜の下で味わうこの贅沢さ。
からすのえんどう、つくし、にわとこ、よもぎ・・・
何がおいしかったかな


ドーナツも食べた
土曜あそび塾のお楽しみは「おやつ」。
今回はせっかく油を用意しているのでドーナツを作ることにしました。
低学年の男の子3人に手伝ってもらって生地作り。
卵を割るのに失敗してしまったり、粉がなかなか混ざり合わないという困難を乗り越え、
丸い形にまとめたものを指で穴を開け油の中に入れました。
温度が高く最初は黒焦げになりましたが、だんだんおいしそうな色に揚がり、形の悪さをカバーしました

    (見かけよりおいしかったドーナツ)

五感で自然を感じること
講師の細川先生が言った言葉は「五感で春を感じよう」でした。
造成工事の音のため、鳥の声がなかなか聴こえにくかったのですが、鶯が鳴いていました。
どくだみ、山椒の香りを嗅いで、ミツバチやあり地獄を探し、
ふかふかな森の土を歩き、青い空に映える満開の桜を見て、
おいしい野草を味わうことが出来て豊かな1日を過ごしました。

それにしてもたくさんの鳥たちは森が少なくなってどこへ行くのでしょうか。
「木の間」のオーナー高橋さんも「ゴルフ場が出来るなんてがっかりしてしまう。」と肩を落としていました。
自然がなくなるのは本当にあっという間。
でも自然は豊かなものを与えてくれます。
また天ぷらが出来るようにと思って木の間をあとにしました。