NPO法人 緑区子どもサポートセンター

一歳児の心とくらし
臨床心理士 永松未生 先生
ひとり歩きが始まり、好きな所に移動でき、興味関心もグンと広がる一歳児。その成長は嬉しい反面、育て方に難しさを感じ始めるころでもあります。当リラックス館では年に数回 臨床心理士の永松未生先生の心理士講演会を開催しています。
今回は七月に開催された一歳児向けの講演会で寄せられたママたちの質問にお答えいただいたものを掲載します。
その前に先生からお話いただいた四つのポイントを簡潔にまとめてみます。
其の壱、あさびについて
○一歳児はまだ友達といっしょにあそぶことはできなくても大丈夫。
○子どもがその時にやりたがっているあそびを充分にさせてあげよう。
(例えばブランコばっかりでもいい)
○大人は子どもを楽しませなきゃ!と思わないでよい(サービスしなくていい)。
子どもは「何をしようかな〜」とボーっと考えることも大切です。
其の弐、規則正しい生活を
そうすることによってコルチコステロイドホルモンが分泌
→夕方以降にメラトニンホルモンが分泌
→眠くなって夜更かしせずに寝つける。
このメラトニンが幼少期にたくさん分泌されることで大人になっても健康に生きられる。
○寝ることと食べることを大切にする。
其の参、母の体も大切に
○自分へのご褒美の時間も大切。
○漢方やアロマセラピーなどをうまく取り入れることもよいかもしれない。
其の四、メディアについて
リモコン・スマホなどの機器は大人のみが操作する。
○一歳児なら視聴時間は二時間以内で。家事で手が離せないときなどは、
短編の物を時間で区切って見せよう。
○テレビ等は光と音の刺激が強すぎる。
○小さい子どもはテレビの音と、その場の声の聴き分けはできない。
■ 質問コーナー
どの程度のことで叱ればいいのですか?
叱るタイミングがわかりません。
叱ると子どもがギャーギャー泣くので つい根負けしてしまいます。
A 好ましくない行動や危険なことをした場合などは大人は断固とした行動をとりましょう。
★短いことばでシンプルに叱る
(1歳児はまだ言語キャパ不足なので、長いことばで言っても、なかなか理解しにくい)
★その度、その場で 体で止める。
→「机には上りません」と声をかけながら身体で止める。
(この場合は下に降ろす)根気よくいちいち言いましょう。
くりかえしによって、脳にジワ〜っと染み込みます
★危険行動を止められた時、せずに過ごしている時はすかさず褒めましょう!
→「のぼるのやめて、えらい」「のぼりたいけど、我慢してるね!」など
Q おもちゃの取り合いについて
お友達に貸せません。他の子が使っていても取ってしまいます。
A おもちゃの取り合いはぜひやってもらいたいですね。ただしママ同士の関係は大切です。
★取られて悔しい!嫌だ!という思いをすることも大切
★また取りたい!という気持ちもあります
★ただし叩いたり投げそうになったら事前に止めます!
★「使いたかったんだね」と気持ちをわかってあげて、具体的な仲介を
★まだ他人の気持ちはわからないし、社会的ルールは幼稚園に入って覚えるので大丈夫。
Q 食事について。
落ち着いて座って食べません。
追いかけてでも食べさせた方がよいですか?
A 1歳児の集中力持続時間は5〜10分くらいと思いましょう。
そして、次の点を工夫しましょう
★床に座るというのは難しいこと・・・ベルト付の椅子やハイチェアを使う
★食事にかかる時間を短くできるようなメニューを
★決まった時間に食事を出すという生活リズムは大切
★食事量には個人差があるので 成長していれば気にしすぎない
★ママやパパが お食事をちゃんと並べて食べるところを見せましょう!
★遊び食べや動きがおさまらない時は片付けてしまうのも、時にはありかも。
Q トイレットトレーニングの途中です。
1度成功したのにその後嫌がってしまい進みません。
A 保育園だと他の子がする様子を日々見ているので、わりとスムーズなのですが、
家庭ではその機会がないですね。
★トイレに一緒に連れて行って、大人の様子を見せてあげるのもよい機会です。
★子どもが集まる場なら、他の子が行くところを見せるのもよいかもしれません
★あまり焦りすぎてしまうのもよくないので様子をみながらにしてみましょう
Q 叩いて来たり、噛んでくるのですが、。。。
A ★叩いてきた場合は子どもの手を握って止めましょう。くりかえしで覚えていきます
★噛む行為はもっとも馴染んでいる口から手へ移行する混在期という背景もあります。
★力いっぱいたたいてしまうのは、力の加減がまだまだうまくできないこともあります。