NPO法人 緑区子どもサポートセンター
   第24号 平成20年12月

救急講座 

〜救急車ってどんな時に呼んでいいのかしら・・・?〜


お子さんのいる家庭では、夜中の急病や突発的なケガなど、どう対処したらよいかわからない時があると思います。
最近ではタクシー代わりに救急車を呼ぶ人がいて困るという報道もされていますので、躊躇してしまうこともあるのではないでしょうか・・・。
そこで救急現場に出動しておられる緑消防署の救急隊員のかたにお越しいただきさる10月28日におゆみ野中央子育てリラックス館にて救急講座を開催しました。
今回の講座は「パパといっしょに救急講座」という企画にしてみました。


突発的な事態になった時に、母親ひとりでは気が動転して適切な判断が難しくなることも多いので、こういう講座は家族の中でも複数の人が聴いておく方がよいのです。
さて、お子さんが夜中に急な発熱を起こした場合、みなさんならどうしますか?
体温が38度以上になると慌てますよね。
でもちょっとその前に・・・お子さんの平熱は何度だか把握していますか?
お子さんの顔色はいつもと比べてどうですか?赤いですか?青白くなっていますか?
隊員のかたのお話ですと、保護者の方が意外にお子さんの平常の様子を把握していないそうです。
平熱・皮膚の色艶などは個人差があるものです。
そのお子さんの平常の様子を把握しておき、今の状態は平常と比べてどうなのか?を見ることが重要です。
いつもとちがってぐったりしていたり、水分が摂れない・おしっこの出が悪い・何回も吐く・生後3ヶ月未満の乳児などの場合は、医療機関へ行くことをお勧めするそうです。
その際に、自家用車があり運転手と子どもに付き添う人とが揃うのなら、救急車でなく自家用車で行っていただきたいのですが、自家用車がなかったり運転手しかいない場合は遠慮なく救急車を呼んでよいそうです。
救急車は消防署配備ですので、電話をする際は火事の時と同じく119番です。
落ち着いて住所や近所で目安になるものを伝えてください。
動転すると意外にも住所を言えなくなるかたもあるそうですから、電話機の近くにメモを貼っておくとよいですね。
ちなみに外出先からの救急要請は携帯電話からも119番で行なえます。

■救急車で搬送されると早く診察してもらえる?

そのように誤解している人がいるようですが、そんなことはありません。
日中など診療時間内であれば、まずはかかりつけ医に連絡をとるそうです。
夜間や休日ですと受け入れ先を探して搬送しますが、いずれの場合でも病院に到着すると病院の看護師等が容態を見て、緊急性があれば当然早く診察してもらいますが、そうでない場合は順番待ちとなるそうです。
タクシー代わりに使う人の誤解は困りますね。

■兄弟がいる場合、家に置いていかないといけないの?

例えば2歳のお兄ちゃんが大きなケガをして救急車を呼んだとします。
パパはお仕事中で家にいる大人はママだけ。そしてまだ0歳の弟がいるケースを想定します。
さあ救急車が到着したものの、赤ちゃんを預かってくれる人が見つからない・・・。
そんな場合は弟も一緒に救急車に乗せてよいそうです。
隊員の方のお話ですと、小学生でもひとりで家に置いて行くほうが危険なので乗せていくことができるそうです。
とりあえず同行させて、ご家族に病院まで迎えにきてもらうのがよいでしょう。

■こんにゃくゼリーなどでの窒息事故が絶えませんね。

実際に食べ物による窒息事故の現場に駆けつけたこともあるそうです。
これからお正月時期にはお餅を喉に詰まらせる事故も心配です。
乳幼児や高齢者に与えてはいけないという注意書きがあるものは絶対に与えないことや、歩き食べや寝転んで食べさせないことも重要です。
ではもし詰まってしまったらどうしたらよいのでしょうか?
子どもの場合は年齢や体格によって方法は違いますので、次のページの方法を参考にして行なってください。
心肺蘇生術なども覚えておくとよいですね。
子どもさんが小さい場合は幼児向けの救急救命講習を受けると良いと思います。
消防署や赤十字などで講習を開催していますので、市政だより等で情報を得てください。
なお食べ物で窒息した場合は即刻救急車を呼んでください。
なお噂では掃除機で異物を吸い取る方法が語られますが、吸引力が強い為ダメージが起こる場合もあります。
専用ノズルが売っているそうです(インターネット販売)でもなにより事故防止が大切ですから、この際にご家庭でも食事の際の調理形態や食べさせ方をチェックしてみてください。
実際にパン・ご飯・果物など毎日食べている食材が窒息原因トップ3に入るのです。
パン屋さんやスーパーマーケットでの試食を食べながら歩いているお子さんをよく見かけますが、とても危険なことのでやめましょう。