NPO法人 緑区子どもサポートセンター
   親業講演会 平成23年6月

〜「心の扉を開く聞き方、心に届く話し方」〜

     親業 講演会

6月19日、サポートセンターの総会終了後、親業インストラクターの佐藤まりさんによる講演会を行いました。
「親業」というのは、アメリカのトマス・ゴードン博士が創案したコミュニケーションプログラムです。
「親業」には「聞く」「語る」「対立を解く」という3つの柱があり、この理論を学び、親子関係を改善することによって、子どもの自主性、思いやり、責任感、判断力、創造力、協調性を育てることが出来る、ということですので、親としては、願ってもない!話です。

今回の講演の中では特に「聞く」(=心に寄り添う)という点について詳しく伺いました。
これは難しいことですよね?
他人と話をしている時にはまだしも、わが子に対しては、つい、忙しさにかまけて話をちゃんと聞かなかったり、聞いても否定したり、親の意見を押し付けてしまったり、というように、子どものことを思うからこその親心から、良かれと思って言葉かけをしていることが、多いのではないでしょうか?

実際の講座でよくやる、隣の人とペアになってのロールプレイも体験しました。
まず、子どもの役の人が「今日は学校に行きたくないなあ」と言います。
それに対し、親の役の人が「何言ってるの!早く行きなさい」と命令するパターン、次は逆に「そうなの、行きたくないのね」と相手の言葉を繰り返し、相槌を打つパターン、を体験しました。

始めの命令パターンは、私は普段からよく言うので実にすらすら言えるのですが、逆のパターンのほうが、何だか照れてしまい、どう言おうか、ちょっと戸惑いました。
でも、言われた方は、いくらロールプレイだと判っていても、強い口調で言われると、ドキッとして嫌な思いもするものです。
逆に相手が自分の言ったことを繰り返してくれると、それだけで癒され、解ってくれた、という思いがするんですね。

こんな、ちょっとした対応の違いで、毎日の子どもとのやり取りや、人との関係が良好になるのならば、それくらいの努力ならば、今日からでもできるのではないでしょうか。

難しい理論は解らなくても、先ずは、相手の言葉を繰り返して相槌を打つ。
子どもの気持ちを理解した後に一呼吸してから、親の意見なり、自分の意見なりを言っても遅くはありませんものね。

まもなく、長い夏休みに突入します。私も子どもが小学生のうちは、実に憂鬱な季節でした。
でも、ちょっとした言葉かけや聞き方で平和な夏休みを過ごせるのなら、やっぱり、もっと早くに知っておくべきだったなあ、とつくづく思いました。